政局のはなし(政局速報)

マア、政策の話は抜きにして、政局の話をしようや

麻生氏が谷垣氏に手紙

 手紙を送るだけでニュースになるんだからすごい。

麻生氏が谷垣氏に手紙 自民党再編が本格化(日テレニュース24)

 ニュースによれば、谷垣派に加えて、山東派も合流調整中らしい。山東派を巡っては、昨年一時期、合流話があったが、派閥の会長の山東昭子参議院議員(参7期、全国比例)が乗り気ではないと、立ち消えになっていたと思うが、ここに来て再度の合流説が復活している。

 谷垣氏は昨年の自転車事故のケガのリハビリ中で、親族の秘書しか面会ができない状態で、その病状は「歩行器を使えば歩ける」、「箸は使えないがスプーンを使って自分で食事をとれる」、「頭は完全に動いていて、タブレットを使って情報収集している」などの話が漏れ伝わっている。そんな中で派閥の存続を巡って、派閥のパーティー(一人2万円のチケットを数千人に売る)をするかどうかでもめて、派閥幹部の佐藤勉衆議院議員(7期・栃木4区)ら数人が脱会意向と3月に報じられた。

(参考)谷垣グループも分裂→一部が麻生派へ - 政局のはなし(政局速報)

 派閥のパーティーをした後に「合流」というのも支援者からは理解の得られない話だから、麻生氏としてはなんとしてもパー券を売り出す前に話をつけておきたいのだろう。あるいは本心としては「合流」という高めの球を投げておいて、佐藤勉氏ら数人の受け入れを認めさせるという落としどころを持っているのかもしれない。

都民ファーストのファーストスキャンダル報道は平愛梨の弟

 都民ファーストの会の公認候補予定者の平慶翔氏はイケメン、若い、平愛梨の弟ということで、定数4の板橋区選挙区では当選が有力視されている。

 そんななか、今日発売の週刊新潮平氏の前職の下村博文事務所を金銭がらみで解雇され、その後自民党衆院候補の公募に応募したものの、身体検査で引っかかってダメだったという疑惑が掲載された。こういったスキャンダル(?)は都民ファーストの新人候補予定者では初めての報道だ。ネタ自体は噂話程度の話で本人の言い分もあるだろうに気の毒だな、くらいにしか思わないが、今後、都民ファーストの会の候補者のこうした報道はでてくるだろう。

 むしろ大変なのは都民ファーストの候補者の大量当選後と予想している。大量当選によって1年生ながら委員長や議会の重要ポストについた公人が、暴力をふるったり、暴言を吐いたり、ゲス不倫をしていたりすると、都民ファーストごとダラダラと支持率を下げていくことになる。大阪維新の会府議市議を大量に当選させた後、議員の暴力・暴言や金銭スキャンダルなどの「議員の資質」の問題でぽろぽろ脱落していったように、都民ファーストも同じ試練に挑戦することになるだろう。

(参考)
「秘中の秘/小池新党の目玉になるアモーレ「平愛梨」弟の脛に傷」
週刊新潮2017年4月13号』

↓相当なイケメンだよね

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今村復興大臣の謎切れは誰にキレたかよりも内容が悪すぎる

 今村雅弘興大臣(衆7期・比例九州、二階派)が記者会見でフリージャーナリストに「出ていけ」「二度と来るな」などの暴言を吐いて、その後あっさり「ちょっと感情的になってしまいまして」と謝罪した。前後のやり取りもみても、キレどころがわからない。謎ギレだ。翌日の報道はこんな感じだった。

今村復興相、記者に「うるさい」 ロイター - 2017年4月4日
今村復興相「出て行きなさい」 記者に激高し謝罪 TBS News - 2017年4月4日
今村復興相、記者に「出て行け」 閣議後の会見で 日本経済新聞 - 2017年4月4日
今村復興相「うるさい」激高、質問打ち切り退出 読売新聞 - 2017年4月4日

 いずれのメディアも同業の「記者」に暴言を吐いたことに対して問題視している。だけど、誰にキレたよりも、キレたその内容がわるい。

 フリーの記者に「福島原発事故で事故避難している人への責任はないのか」と質問されて「自己責任」と返したところ、記者に「責任をしっかり取ってくれ」と言い返されてキレているんだから、復興大臣としてどうしようもない。

 復興大臣は復興庁設置以降、民主党政権下では岩手県選出の平野達男参議院議員(参3期、自民党入りして現在二階派)、自民党政権復帰後は根本匠衆議院議員(7期・福島2区、岸田派)と2代までは被災地選出の大臣であったが、それ以降は西日本選出の議員(竹下(山口)、高木(福井)、今村(佐賀))が大臣になっている。被災地の復興事業という巨大な利権の中心に、超利害関係者である被災地の議員をおくのはよろしくないという判断なのだろう。しかしながら被災地選出の大臣であれば絶対に「自主避難は自己責任」とは切り捨てない。自主避難でもなんでも好き好んで避難している人なんていないんだから。利害関係の薄い議員はその分、現地の人の気持ちはわからないということが露呈した事案であった。

蓮舫氏の衆院鞍替えは選挙区調整でモメそうだよね

 民進党代表の蓮舫参議院議員(参3期、東京選挙区)の衆院への鞍替え話は数年前にもあった。当時は東京6区(世田谷区)に民主党候補者がおらず、蓮舫なら議席を得られるだろうから鞍替え、みたいな話だった。この鞍替え話は2014年の総選挙に際して民主党と維新の党との共闘策が実現すると立ち消えになった(東京6区は維新の落合貴之氏で一本化した)。

 しかし、いまや蓮舫氏は民進党の代表で、(党が目指す)二大政党制の代表者として、政権交代と総理を目指す、という意味でも次の総選挙での衆院鞍替えは不可避になっている。

 ところが、じゃあ実際どこから出馬するんだ、という悩ましい問題が民進党内にある。結論から先に言えば、蓮舫のために、現在活動している支部長(あるいは現職)に「蓮舫のためにどいてもらう」ことになる。蓮舫氏が鞍替えするならば東京都の23区内の選挙区だろうが、ほとんどすべての選挙区ですでに候補者(支部長)または現職がいる。状況はこんな具合だ。

1区(港、千代田、新宿区)→元代表の海江田万里氏の選挙区で本人はでる気満々

2区(中央、文京、台東区)→新人の支部長がいる

3区(品川区)→現職松原仁氏。党の都連会長。党重鎮

4区(大田区)→元職の支部長がいる

5区(目黒区)→蓮舫氏の居住地だが元職の支部長がいる

6区(世田谷区)→維新から合流した現職がいる

7区(中野、渋谷区)→現職長妻昭氏。都内唯一の小選挙区選出議員。党重鎮

8区(杉並区)→新人の支部長がいる

9区(練馬区)→維新から合流した現職がいる

10区(豊島区)→昨年の補選にもにでた新人の支部長がいる

11区(板橋区)→新人の支部長がいる

12区(北区)→空白区。相手は自公選挙協力公明党太田昭宏前代表

13区(足立区)→新人の支部長がいる

14区(墨田、荒川区)→新人の支部長がいる

15区(江東区)→維新から合流した現職がいる

16区(江戸川区)→維新から合流した現職がいる

17区(葛飾区)→新人の支部長がいる

(選挙区内の行政区については大体の区なので注意。)

 上の通り、民進党の候補者がいないのは12区(北区)だけで、この区は公明党候補が相手になる。この相手は正直きつい。比例復活はできるだろうけど、小選挙区で勝てないと恥ずかしいわな。というわけで12区はないだろう。

 蓮舫氏の地元、というか住んでいるところは東京都目黒区で、衆院選挙区は東京5区である*1。この5区には手塚仁雄衆議院議員(落選中、当選3回)が現在も活動しており、もともと蓮舫氏を参院選にひっぱってきたのは手塚氏だとも言われている。蓮舫氏が5区で鞍替えするとなると、手塚氏にとっては自分が連れてきた人に選挙区を取られることになるが、2連続で落選中の苦労人だから、選挙区を譲るかわりに比例名簿の上位にしますというバーター取引にのるかもしれない。

 もうひとつ鞍替えできそうな区は8区(杉並区)だろう。民進党は新人の女性候補で地元生まれでもないし、地元区議・都議出身でもない。比例にどいてもらいやすそうだ。さらに言うとこの選挙区は石原伸晃(9期、石原派)で次の選挙は石原慎太郎元知事の話題で逆風であり、否応なしに注目度が高い選挙区になる。鞍替えするならここだろやっぱ。

 鞍替えに際して現在の支部長に「どいてもらう」ことが必須だが、ほぼレイムダック化している蓮舫氏のために選挙区を譲って、蓮舫氏に恩を売ったとしても、何の得にもならないのが問題の根本だ。選挙区を譲った支部長は、比例上位にしてもらった1回は当選できるだろうが、その次の選挙で、執行部が変わっていれば比例名簿上位登載の話に保証はない*2。いまの民進党内で、蓮舫氏が長く代表をやるだろうと思っている人はおそらく一人もいない。代表選出から半年以上が経つが、いまだに蓮舫氏の選挙区が決まらないのはすでに内部で難航しているからかもしれない。

(参考)

www.sankei.com

*1:2011年の目黒区議選で蓮舫氏の夫・村田信之氏は出馬して落選している

*2:当然選挙区は蓮舫氏に取られたままだ

揺れる自民党額賀派(平成研究会)【自民党派閥あれこれ】

 民進党をはじめ野党に全く元気がない現在、政党間による権力争いではなく、自民党内の派閥間で、政権をねらう動きが活発化している。

 今一番活発に動いているのが麻生太郎副総理兼財務大臣(衆12期・福岡4区)率いる麻生派為公会)だ。今年2月に甘利明衆議院議員ら5人を迎え入れたのをはじめ、同じ宮澤派→加藤派からの流れを持つ岸田派(岸田文雄外務大臣が会長)に合流のアプローチしている。一連の拡大活動は自民党の最大派閥細田派(安倍首相の出身派閥)に対抗する狙いがあるという。一部報道では麻生副総理は岸田派と合流して、細田派出身の安倍さんと共に「二大派閥のオーナー」として総理を決める地位(キングメーカー)を狙っている、ともされている*1

 自民党内の派閥で勢いがあるのが現職の総理を擁する最大派閥の細田派と、前述の麻生派だとすると、逆に落ち目は石原派、谷垣グループ、そして額賀派だろう。石原派は今年2月に派閥事務総長の平沢勝栄衆議院議員(7期・東京17区)が脱退し、谷垣グループは会長の谷垣禎一衆議院議員(12期・京都5区)が昨年自転車事故で入院すると、政府・党のポストが回ってこなくなり、今年3月に入って幹部の佐藤勉衆議院議員(7期・栃木4区)ら数人が麻生派に合流すると報じられた。

 額賀派は現在深刻な内紛を抱えている。報道等によると、現会長の額賀福志郎衆議院議員(11期・茨城2区)の求心力のなさから、かつて参院のドンといわれ今でも力を持つ派閥OBの青木幹雄参議院議員が、会長の座を竹下亘衆議院議員(6期・島根2区)に継がせたいと動き、一方の額賀会長は、それを阻止すべく派閥では外様ながら力のある茂木敏充衆議院議員(8期・栃木5区)に次期会長をチラつかせて延命を図っているという。

 人間関係的にいえば、もともと額賀派田中派から竹下登氏らが分離独立したグループで、時期会長と目される竹下亘氏は創業者の竹下登氏の弟であり、それをバックアップする有力OBの青木氏は竹下登氏の秘書・地元県議として30年以上にわたり仕えていた。青木氏としては派閥(平成研)は「竹下派」だという強い思いがあるのだろう。

 一方、現会長の額賀氏が頼りにする茂木氏はマッキンゼーから日本新党で政界入りし、自民入党後は経産大臣、党政調会長、党選対委員長と重量級のポストを歴任している。地元での選挙も強く、集金力もあり、安倍総理の信任も厚いが*2、とにかく毀誉褒貶(きよほうへん)のある人物で、「切れ者」と評判のある一方、記者や党職員・秘書をすぐ怒鳴る、下に厳しい、「徳がない」とも言われている。実績・能力共に派閥会長として十分ではあるが人柄に問題が……といったところだろうか。

 額賀派の力の源泉は参院のドンと言われたOBの青木氏にみられるよう、参議院にあり、現在も自民党参議院幹事長という実務を取り仕切るトップや、幹事長代行、国対委員長代行といった最前線の責任者も額賀派のポストになっている。茂木氏が会長になれば参議院のメンバーは派閥から離脱する*3吉田博美参院幹事長(参3期・長野選挙区)が茂木氏に宣言したともいわれており、額賀会長・茂木氏陣営は苦戦気味だ。

 ここにきて今日の産経新聞に、額賀派内で石破茂氏(衆10期・鳥取1区、石破派)との連携案が浮上しているという話*4がでてる。これは青木・竹下陣営としてはなかなか妙案で、ポスト安倍として石破氏を応援し、その次の総理候補として小渕優子氏(衆6期・群馬5区)を育てるというプランだ。派閥内を見渡すとポスト安倍になりうる人物は茂木氏しかいないが、それをパスして小渕優子氏の世代に飛ばすことができる。

 さて、茂木氏も極めて有能な人物であるから黙ってみているわけではないだろう。政局ウォッチャーとしては巻き返しのアクションに期待したい。

(参考)

www.sankei.com

*1:週刊新潮2017年2月23日号

*2:茂木氏は2015年に最も政治資金を集めた政治家(1億3085万円)である

*3:『選択』2月号

*4:記事によると合区になった参議院の島根・鳥取選挙区で青木幹雄氏の長男・青木一彦参議院議員(1期・額賀派)を鳥取1区選出の石破氏が積極的に応援したことがきっかけになっているという