永田町のはなし

政局のど真ん中、永田町でみたこと、きいたことをおはなしするよ

長島昭久氏の離党で確実にひとつ言えること

 民進党長島昭久衆議院議員(5期・東京21区比例復活)の離党の報道をウォッチしている。マスコミとしては何とか小池新党とくっつけて報道したいんだろうなというのがミエミエだが、一方の長島氏はくっつけられて報道されてはたまらないと、離党の原因は「共産党との共闘」を全面的に挙げている。今のところの報道は長島氏の言い分がやや優勢だろうか。

 「共産党との共闘が納得いかない」というのは、長島氏の一貫した政治姿勢をみても、離党に至る大きな原因のひとつだと思わせる。しかしこの時期に離党するということはやはりそれはタテマエだろう。野党共闘ウンヌンで、都議選前のこのタイミングであえて離党する意味はない。

 長島氏のこの先は自民会派入りも、小池新党の立ち上げも、どちらも対応可能な状態で、どちらに行くかは今のところわからない。しかし確実に一つ言えることは長島氏は民進党を「除名」されるということであり、逆に彼からすれば、民進党を未来永劫ごと見限ったということだ。

 割とこの話は深刻なんじゃないかと思う。考えてみれば、長島氏がやり玉にあげる共産党との共闘は長島氏(の選挙)にとっては悪い話ではない。直近の総選挙で長島氏は自民・小田原潔氏(2期、細田派)にわずか1500票差で競り負けており、第三の候補であった共産党新人は3万5000票を得票している。野党共闘すれば、まず間違いなく長島氏は選挙区で勝てるだろう。また、もしそんなに共産党との連携が嫌なら、党内で黙って潜っていればいいだけだ。潜っている間に蓮舫氏が失脚すれば共闘路線は見直される可能性があり、そして蓮舫体制が長く続くとは、誰も思っていない。

 そんな状況で離党を選ぶということは、長島氏は蓮舫氏の次の体制の民進党も捨てたということだ。長島氏は民進党に未来はないと読んだのだろう。

 このところ民進党は厳しい状況下におかれている。政党支持率は一桁だし、支援団体の連合の傘下の労組が自民支持を表明*1したり、都議選では都民ファーストの支持者を推薦するとも言っている。民進党は党勢の立て直しに目途がつかないどころか、党としてどういう国家を目指すのかも定かでなくなっている。

 今回の長島氏の離党は、今後どうするかというよりも、民進党は先も含めて、もうない、と確信したことが一番大きいのではないかと思う。

*1:化学総連が今年2月、自民支持を表明したと報道があり、その後、そんなこと表明してないと打ち消す報道があった。

民進党・長島昭久衆議院議員の離党で、すわ小池新党か?

 長島昭久衆議院議員(5期・東京21区、比例復活)が民進党を離党することを発表した。長島氏の思想は保守で、野党の中でも外交防衛分野で定評のある政治家だ。選挙も強く、自民党の政権復帰を成し遂げた2012年の総選挙でも小選挙区議席を守った。この選挙で東京で民主党候補が勝利したのは他には東京7区の長妻昭氏(衆6期)だけだ。直近の2014年の総選挙では、自民党小田原潔氏(衆2期、細田派)にわずか1500票差で敗れて比例復活当選になった。衆議院の選挙は比例重複立候補が認められており、負けた候補は惜敗率順に当選していくが、もし長島氏が小田原氏に競り勝っていれば、当時民主党の代表であった、海江田万里氏(衆6期・東京一区)が復活当選することができ、民主党の歴史はまたちょっと違ったかもしれない。

 さて、気になるのは今後の政局だ。長島氏は会見でも都民ファーストとの連携を検討と言っているが、選挙区*1昭島市では先行して民進党公認の候補予定者(新人)が、すでに民進党を離党して都民ファーストの会入りを目指すことを発表している。

 また今年1月には、長島氏、渡辺喜美参議員(参1期、衆6期、全国比例)、鷲尾英一郎衆議員(4期、新潟2区比例復活)、行田邦子参議員(2期・埼玉選挙区)、薬師寺道代参議員(1期、愛知選挙区)の国会議員5人で小池系新党を作るとも報じられた。

 長島氏は保守論客で自民党とも思想は近い。浅尾慶一郎衆議員(3期、参2期・神奈川4区)のように自民党入りも考えているかもしれない。もし、長島氏が2014年の総選挙で小選挙区で勝っていたら、自民党のライバル候補は無条件での公認要件を失う「2連続で比例復活」だったから、自民党入りも不可能ではなかった。

 長島氏の離党は民進党内では激震だろう。民進党都議の離党ドミノがいよいよ国会議員にも波及してきた。

(参考)

www3.nhk.or.jp

www.nikkan-gendai.com

*1:長島氏の選挙区は東京21区=立川市昭島市、日野市

民進党・松野氏がグループ立ち上げ

 もはや取り上げる意味もあるか不明だが一応。民進党の松野氏らが新しくグループを立ち上げた。創新会というらしい。

 グループを立ち上げた松野頼久衆議院議員(6期・熊本1区比例復活)、松木謙公衆議院議員(4期・北海道2区比例復活)らは自由党*1小沢一郎代表(衆16期・岩手4区)に近く、民進党内の小沢別動隊というべき存在だが、ここにきてグループ名も「創新会」というのは驚いた。その昔、田中派から竹下登氏が分派して立ち上げたのが「創政会」であり、金丸信氏を筆頭に小沢一郎氏もその中心人物の一人であった。ここにきて松野氏は小沢氏と近いことを隠しもしなくなったのだろうか。

(参考)

news.tbs.co.jp

麻生氏が谷垣氏に手紙

 手紙を送るだけでニュースになるんだからすごい。

麻生氏が谷垣氏に手紙 自民党再編が本格化(日テレニュース24)

 ニュースによれば、谷垣派に加えて、山東派も合流調整中らしい。山東派を巡っては、昨年一時期、合流話があったが、派閥の会長の山東昭子参議院議員(参7期、全国比例)が乗り気ではないと、立ち消えになっていたと思うが、ここに来て再度の合流説が復活している。

 谷垣氏は昨年の自転車事故のケガのリハビリ中で、親族の秘書しか面会ができない状態で、その病状は「歩行器を使えば歩ける」、「箸は使えないがスプーンを使って自分で食事をとれる」、「頭は完全に動いていて、タブレットを使って情報収集している」などの話が漏れ伝わっている。そんな中で派閥の存続を巡って、派閥のパーティー(一人2万円のチケットを数千人に売る)をするかどうかでもめて、派閥幹部の佐藤勉衆議院議員(7期・栃木4区)ら数人が脱会意向と3月に報じられた。

(参考)谷垣グループも分裂→一部が麻生派へ - 政局のはなし(政局速報)

 派閥のパーティーをした後に「合流」というのも支援者からは理解の得られない話だから、麻生氏としてはなんとしてもパー券を売り出す前に話をつけておきたいのだろう。あるいは本心としては「合流」という高めの球を投げておいて、佐藤勉氏ら数人の受け入れを認めさせるという落としどころを持っているのかもしれない。

都民ファーストのファーストスキャンダル報道は平愛梨の弟

 都民ファーストの会の公認候補予定者の平慶翔氏はイケメン、若い、平愛梨の弟ということで、定数4の板橋区選挙区では当選が有力視されている。

 そんななか、今日発売の週刊新潮平氏の前職の下村博文事務所を金銭がらみで解雇され、その後自民党衆院候補の公募に応募したものの、身体検査で引っかかってダメだったという疑惑が掲載された。こういったスキャンダル(?)は都民ファーストの新人候補予定者では初めての報道だ。ネタ自体は噂話程度の話で本人の言い分もあるだろうに気の毒だな、くらいにしか思わないが、今後、都民ファーストの会の候補者のこうした報道はでてくるだろう。

 むしろ大変なのは都民ファーストの候補者の大量当選後と予想している。大量当選によって1年生ながら委員長や議会の重要ポストについた公人が、暴力をふるったり、暴言を吐いたり、ゲス不倫をしていたりすると、都民ファーストごとダラダラと支持率を下げていくことになる。大阪維新の会府議市議を大量に当選させた後、議員の暴力・暴言や金銭スキャンダルなどの「議員の資質」の問題でぽろぽろ脱落していったように、都民ファーストも同じ試練に挑戦することになるだろう。

(参考)
「秘中の秘/小池新党の目玉になるアモーレ「平愛梨」弟の脛に傷」
週刊新潮2017年4月13号』

↓相当なイケメンだよね

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