永田町のはなし

政局のど真ん中、永田町でみたこと、きいたことをおはなしするよ

小泉進次郎が仕掛ける政局

 小泉進次郎衆議院議員(3期・神奈川11区)が自民党の農水部会長になって以降、農政は揺れに揺れながらなんだかんだでいい方向に進んでいると思う。つまり、農業はこのままではダメだというのは(農林族も含め)みんなわかっている*1、だけど族議員は利権を守る役割があって身動きが取れない、それを小泉ー奥原(農林次官)ー奥野(JA全中会長)ラインで改革をしていく、そのための敵役(かたきやく)として「人気者」の小泉氏が一定の役割を果たしている。小泉氏も自分の立ち回りを良くわかっていて、あえてメディアの前でわかりやすい非合理性(キャベツの出荷する段ボールの規格が数百あるんですとか)を示し、その一方で落としどころは政府の規制ではなく農協や業界での自己改革を促す、といった具合だ。

 先月、週刊ダイヤモンドに京都のJA系の卸会社が販売した新潟産のコシヒカリにかなりの割合で中国産の米が混入していたという記事が掲載された。事実だとすると衝撃的な内容だったが、この記事そのものが政局だったらしい。

bunshun.jp

 『選択』3月号にも「奥原農水次官に「続投説」終わりの見えない農協との泥仕合」でほぼ同様の内容(中川泰宏JA京都中央会会長を狙った)が記載されている。いずれも奥野会長の定年で次期会長をめぐる保守派と改革派の争いがあるという。70歳定年の規定を改定をすれば選挙にならないというが、さて……

*1:2014年の数字で農家の時給は544円。補助金を抜くと279円。平均年齢68歳。どうかんがえてもヤバい