永田町のはなし

政局のど真ん中、永田町でみたこと、きいたことをおはなしするよ

都民ファーストの会は今のうちに都議団の規約をビシっと決めたほうがいい

 今日発売の週刊ポストに都議選の議席予想がでていたが、すごい内容だった。

 なんでも小池新党が都議選で定数127のうち58議席前後を取るという。都民ファーストの会は現有5議席だから10倍以上の大躍進だ。予測では定数1の選挙区はもとより、定数3の選挙区では2議席まで取れるというんだからすごい。

 とまあ、ここまで大勝する勢いなら今のうちにやっておくべきは、大きく議席を増やした後、どうやってまとまっていくかを考えるべきだ。特に両角穣都議(1期・八王子市)、上田令子都議(1期・江戸川区)、音喜多駿都議(おときた・1期・北区)の都民ファーストの会の幹部3人はみんなの党で当選して、会期が始まってわずか3日目に分裂をしたあの苦い経験はまさか忘れてはいまい。

 具体的には、今のうちに都議団の政策や、人事はどう決めるのかなどをしっかり組織図を書いて規約を定めておくことだ。政策については党内では議論をするけど、党として機関決定をしたら党議拘束をする、としないとあっというまに分裂する。たとえば今回の豊洲のような難しい政策課題が出てきたときに、それぞれ議員個人の意見が党の決定に勝つ状態だと、分裂することになる。特に知事与党だからこのあたりでモタつくと議会内だけでなく、都民のくらしにも影響がでる。

 あと特に気を付けないといけないのは人事決定権と地方選(市議、区議、首長)・国政(衆参議員)選挙の公認と応援だ。

委員長・議長の人事は不満の種になる

 人事については選挙で大躍進をすると、議席に応じた議会のポストが回ってくる。つまり1年生議員の委員長が誕生することになる。もしかすると議長ポストもまわってくるかもしれない。この辺の人事権の扱いをあらかじめ決めておかないと、そのたびに党内で不満が残ることになる。同じ一年生でも、あいつは委員長で、おれはヒラかよ、みたいな。

 党も人数が増えることになるから党の役職と役割・予算の割り当ても決め方を決めないとケンカの素。ものすごい細かいところでは、会派割り当ての公用車の使用ルールなんかも決めないと火種になるよ。

国政と首長・地方議員の選挙についても考えとかないと死ぬ

 もうひとつ重要なのは国政や首長や地方議員の公認についてだ。これはホントに争いの火種になる。例えば衆議院が解散になった時のことを想定すると分かりやすい。今回、小池ブームに乗っかって都議になるような人は、きっと上昇志向の強いタイプだろう。果たしてそういう人が、小池新党の衆議院の候補者(例えば公募の落下傘で新人)をどう見るのだろうか。「ホントは俺が(私が)衆議員になりたいのに」と思ってるかもしれない。しかも都議になった方が、都民ファーストとして入党歴も長いし、議員歴も長いことになる。当然こいつを公認するなとか、おれは応援しねえ、ということになる。区議市議についても同様。

 首長選の応援も、党の決定云々のルールを決めておかないと、都民ファーストの会の都議や市議で分かれて別の候補者を応援するなんてことも起こるかもしれない。つまり、小池新党、都民ファーストの会としての候補者の「公認」と「推薦」のプロセスと、該当選挙区の応援体制についてきちっと決めとかないと、選挙のたびに分裂含みになる。

  音喜多幹事長をはじめ幹部の方は第三局の分裂を間近で見てきたんだから、是非そうならないように取り組んでもらいたい。

(参考)
週刊ポスト』2017年3月31日号「小池新党<呆れるほどの>圧勝!!-史上初の東京都議選議席を完全予測2」