政局のはなし(政局速報)

マア、政策の話は抜きにして、政局の話をしようや

蓮舫氏の衆院鞍替えは選挙区調整でモメそうだよね

 民進党代表の蓮舫参議院議員(参3期、東京選挙区)の衆院への鞍替え話は数年前にもあった。当時は東京6区(世田谷区)に民主党候補者がおらず、蓮舫なら議席を得られるだろうから鞍替え、みたいな話だった。この鞍替え話は2014年の総選挙に際して民主党と維新の党との共闘策が実現すると立ち消えになった(東京6区は維新の落合貴之氏で一本化した)。

 しかし、いまや蓮舫氏は民進党の代表で、(党が目指す)二大政党制の代表者として、政権交代と総理を目指す、という意味でも次の総選挙での衆院鞍替えは不可避になっている。

 ところが、じゃあ実際どこから出馬するんだ、という悩ましい問題が民進党内にある。結論から先に言えば、蓮舫のために、現在活動している支部長(あるいは現職)に「蓮舫のためにどいてもらう」ことになる。蓮舫氏が鞍替えするならば東京都の23区内の選挙区だろうが、ほとんどすべての選挙区ですでに候補者(支部長)または現職がいる。状況はこんな具合だ。

1区(港、千代田、新宿区)→元代表の海江田万里氏の選挙区で本人はでる気満々

2区(中央、文京、台東区)→新人の支部長がいる

3区(品川区)→現職松原仁氏。党の都連会長。党重鎮

4区(大田区)→元職の支部長がいる

5区(目黒区)→蓮舫氏の居住地だが元職の支部長がいる

6区(世田谷区)→維新から合流した現職がいる

7区(中野、渋谷区)→現職長妻昭氏。都内唯一の小選挙区選出議員。党重鎮

8区(杉並区)→新人の支部長がいる

9区(練馬区)→維新から合流した現職がいる

10区(豊島区)→昨年の補選にもにでた新人の支部長がいる

11区(板橋区)→新人の支部長がいる

12区(北区)→空白区。相手は自公選挙協力公明党太田昭宏前代表

13区(足立区)→新人の支部長がいる

14区(墨田、荒川区)→新人の支部長がいる

15区(江東区)→維新から合流した現職がいる

16区(江戸川区)→維新から合流した現職がいる

17区(葛飾区)→新人の支部長がいる

(選挙区内の行政区については大体の区なので注意。)

 上の通り、民進党の候補者がいないのは12区(北区)だけで、この区は公明党候補が相手になる。この相手は正直きつい。比例復活はできるだろうけど、小選挙区で勝てないと恥ずかしいわな。というわけで12区はないだろう。

 蓮舫氏の地元、というか住んでいるところは東京都目黒区で、衆院選挙区は東京5区である*1。この5区には手塚仁雄衆議院議員(落選中、当選3回)が現在も活動しており、もともと蓮舫氏を参院選にひっぱってきたのは手塚氏だとも言われている。蓮舫氏が5区で鞍替えするとなると、手塚氏にとっては自分が連れてきた人に選挙区を取られることになるが、2連続で落選中の苦労人だから、選挙区を譲るかわりに比例名簿の上位にしますというバーター取引にのるかもしれない。

 もうひとつ鞍替えできそうな区は8区(杉並区)だろう。民進党は新人の女性候補で地元生まれでもないし、地元区議・都議出身でもない。比例にどいてもらいやすそうだ。さらに言うとこの選挙区は石原伸晃(9期、石原派)で次の選挙は石原慎太郎元知事の話題で逆風であり、否応なしに注目度が高い選挙区になる。鞍替えするならここだろやっぱ。

 鞍替えに際して現在の支部長に「どいてもらう」ことが必須だが、ほぼレイムダック化している蓮舫氏のために選挙区を譲って、蓮舫氏に恩を売ったとしても、何の得にもならないのが問題の根本だ。選挙区を譲った支部長は、比例上位にしてもらった1回は当選できるだろうが、その次の選挙で、執行部が変わっていれば比例名簿上位登載の話に保証はない*2。いまの民進党内で、蓮舫氏が長く代表をやるだろうと思っている人はおそらく一人もいない。代表選出から半年以上が経つが、いまだに蓮舫氏の選挙区が決まらないのはすでに内部で難航しているからかもしれない。

(参考)

www.sankei.com

*1:2011年の目黒区議選で蓮舫氏の夫・村田信之氏は出馬して落選している

*2:当然選挙区は蓮舫氏に取られたままだ