永田町のはなし

政局のど真ん中、永田町でみたこと、きいたことをおはなしするよ

森友学園問題について船田元議員が再度発信

 先日の朝日新聞に続き、今日発売のサンデー毎日でも船田元衆議院議員(11期・栃木1区、額賀派)が森友学園の問題についてインタビューに答えている。

 内容はほとんど先日の朝日新聞に掲載されたものは同じで、自身の学校経営の経験から、(森友学園の)国有地の取得のスピードが不可解に早い、国有地の値引きはありえず、籠池理事長の背後に政治家がいるのではないかというものだ。

 純朴な(?)栃木人の船田氏と、押しの強そうな関西人である籠池氏のキャラの違いはあるものの、それを差し引いても船田氏の指摘はそうなんだろう、と思わせる。

 同記事では藤井裕久元議員(衆2012年引退)も国有地の取得にコメントしており、いわく、役人は前例を無視しての融通しない。まっとうな理財局長だったら財務大臣に相談するだろう、と暗に麻生財務大臣を示唆してるような発言になっている。なお、藤井元議員は大蔵官僚出身、財務大臣経験者で、役人の行動原理はよくわかっているだろう。

 船田氏の発言は至極まっとうで、どうまっとうかと言えば、国有地の取得に政治家がかかわったのではないか、という森友学園問題の核心部分を指摘しているからだ。

 国会で野党が攻めている名誉校長の安倍昭恵夫人やら、100万円の寄付やら、愛国教育やらは枝葉の部分で、この核心部分を追及していく必要がある。逆に論点のウイングを広げると、議論が散漫になってうやむやで終わるよ。

(参考)
サンデー毎日』4月2日号「サンデー時評/藤井裕久、船田元が森友疑惑の核心を糺す-崖っぷち安倍政権」

(↓先日、船田議員の朝日新聞インタビューを書いた記事)

seikyoku.hatenablog.com

衆院4月解散説

 3連休でネタがないのか、産経新聞が月内解散説が与党にくすぶっていると報じている。(与党にくすぶってても解散を決めるのは総理だから何の意味もないんだけど)

 解散説は常にある。昨年の秋ごろにささやかれていたのが、12月にプーチン会談後に北方領土にケリをつけての解散。結局は北方領土どころか、ロシアとは経済連携のみでおしまい。ずっこけて解散どころではなくなった。

 一方で、予算が上がった頃に内閣改造をやるだの、解散をやるだの説が依然のこっている。カギは野党が弱いこと、都議選後では小池新党がらみの不確定要素が大きいこと、そして公明党OKがでていること、の3点だ。

 現行の小選挙区制度においての自公の選挙協力はダイレクトに議席数に直結するので公明党OKがでていることは非常に大きい。今であれば自民は大きく負けることもないだろうし、安倍総理にとって解散をする価値は十分にあるとは思う。逆にやらないという理由は、9月のトランプの来日までは解散をしない、というくらいではないだろうか。この外交がらみの制約がどの程度重要なのかは正直よくわからない。

(参考)

4月23日総選挙あるか 森友問題+都議選+公明…政府・自民に月内解散論 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

月内解散? 都議選の流れ変える 森友…「逃げた」印象 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

籠池氏証人喚問のポイントは新しい政治家の名前が出てくるかどうか

 昨日の森友学園の籠池理事長発言(安倍総理から100万円寄付があった)で来週23日、国会での籠池理事長の証人喚問がきまった。

 証人喚問でのポイントは、これまで名前が出てきた政治家以外の新しい名前(例えば麻生財務大臣など)がでてくるかどうかだ。今までの話の蒸し返し、つまり稲田朋美防衛大臣の弁護士時代の話や、安倍総理からの100万円の寄付の話では火はつかない。

 偽証罪もへったくりもねえと言わんばかりに籠池理事長が100万円の寄付の話をしても、総理はすでに否定している話で、23日以降もこのスタンスは変わらない。所詮は水掛け論が現在のマスメディアや国会の場から、司法の場に移るだけの話だ。さらに23日には世論もいい加減、森友学園の話も食傷ぎみだろうし、そろそろ新キャラでも登場しないとこの漫画の人気は続かない。

 府の認可関連で流れ弾が大阪維新に飛んでくる可能性もあるが、これも大阪の自民勢力には利用されるだろうが、野党である維新のスキャンダルではおおきな政局にはならないだろう。

安倍総理から森友学園に100万円の寄付では倒閣に至らない

 森友学園・籠池理事長が安倍総理から(夫人を介して)100万円の寄付をもらったと院の調査団に語ったそうだ。一件ヤバそうなネタではあるが、この話では倒閣には至らない。

 今まで籠池氏のズルさや胡散臭さをさんざん報道しといて、この発言だけ信じろというのは無理があるし、そもそも個人*1が学校に100万円寄付したところで違法ではない。問題があるとすれば小学校設立に何ら関係ないとしてきた総理の発言との整合性だが、(籠池氏の発言の内容の信頼度を含めて)ネタとしては弱いだろう。

 不思議なのは籠池氏がこの期に及んでこのようなウソをつく理由が見えないところだ。どうせ同じウソなら逆の方がよかった。安倍首相に夫人を介して領収書のいらない100万円を渡した。これなら倒閣ネタだった。

(参考)

www.asahi.com

 

(3月16日17時追記)

さっそく菅義偉官房長官(すがよしひで、衆7期・神奈川2区、無派閥)が安倍総理に確認して事実を否定とのこと。これでこのネタは終わりではないでしょうか。

安倍首相が森友学園寄付を否定と菅官房長官 - 共同通信 47NEWS

*1:小選挙区選出の国会議員が選挙区外の人に寄付するのはOK。ただし政治団体から寄付した場合は収支報告書に記載が必要。

稲田朋美防衛大臣の爆弾は森友ではなく日報だった

 人間、運の弱ってるときは、続々と悪いことがやって来るものらしい。森友学園問題で結果として事実と異なる答弁をした稲田朋美防衛大臣(4期・福井1区、細田派)。今度は南スーダン自衛隊の日報問題でまた炎上しそうだ。

 この南スーダンの日報問題、すこし事情が分かりづらい。というのも同じような話がちょうど1か月前も報道されているのだ。話をまとめると以下のようになる。

  • 2016年10月、ジャーナリストの布施祐仁氏が7月の南スーダンの日報について情報公開請求をする
  • 2016年12月、防衛省が「破棄したから不存在」と回答する
  • 自民党河野太郎衆議院議員(7期・神奈川15区、麻生派)が絶対あるはずとして再度調査を指示*1する。
  • 2017年2月防衛省統合幕僚監部にデータがありましたとして一部情報を公開。→この時点で一度大きく報じられる
  • 2017年3月(今回)統幕だけではなくて、陸自にもありました、さらに削除指示がでてました?と報じられる

 とまあ、こんな流れだ。ポイントは河野太郎氏の動きで、彼が再調査を指示しなかったらうやむやになって終わってたかもしれない。河野太郎氏は3月10日発売の『文芸春秋』4月号にも「文科省国立大「現役出向」241人リスト」なる記事を寄稿しており、「この人、与党なのに大丈夫なの?」と思うくらい外に向けて政府の問題点(天下り)を指摘している。

 森友問題でも河野氏と同じ麻生派鴻池祥肇衆議院議員(4期・衆2回、兵庫県)が共産党に情報提供するなど相当ブッコんでるし、うがった見方をすれば、麻生派議員がいろいろと油をまいてる?とも想像ができる。とにかく森友、南スーダンの日報、と2つとも自民党議員のバックアップが火に油を注いで政局案件に発展している*2

*1:

南スーダンPKO 「日報あった」 河野太郎議員

*2:鴻池議員のブッコミは麻生大臣を守るため?という説もあるが。